東京の下町を代表する街、浅草の六区ブロードウェイ商店街に、2024年にオープンした「浅草相撲部屋」。元力士による相撲ショーを観覧しながら和食を味わえるレストランとして、海外のメディアでも数多く特集される話題店です。相撲のルールや基本動作を楽しく学べるという相撲ショーを体験すべく、早速予約してお店へ行ってきました。
この日も、海外からの観光客で大にぎわい。家族連れも多く、子どもからご年配の方までみんなワクワクした表情でショーの開幕を待ちます。会場に入って、最初に目に飛び込んでくるのは、中央で圧倒的な存在感を放つ大きな土俵。土俵は両国国技館でも使用されている「荒木田土」を採用した本物の土俵だそう。その土俵を囲むように客席が設けられ、臨場感たっぷりの相撲ショーを間近で観戦できるのです。
席に着くと、まずはお食事タイム。提供されるのは、相撲の世界には欠かせないちゃんこ鍋のセット。元力士が監修したという特製のちゃんこ鍋は、だしのうまみが利いた本格的なレシピ。鶏肉や野菜、厚揚げなど具がたっぷりと入った鍋をアツアツの状態で食べられるのもうれしいポイントです。相撲界で縁起の良い食べ物として力士が好んで食べる鶏の唐揚げやいなりずしの他に、枝豆やデザートがつき、ドリンクは1杯目が無料とサービス満点。またお食事はどのメニューもおかわり自由です。日本の伝統文化に触れながら食事を楽しむことができます。
ちゃんこ鍋でおなかいっぱいになったら、いよいよショーがスタート。オープニングは芸者さんによる舞が披露されます。あでやかな着物に身を包んだ芸者さんの優雅な舞に見入った後は、いよいよお相撲さんの登場です。
この日は元力士の浅ノ熊と浅昇の2人が四股（しこ）やすり足などの伝統的な技を披露。まずは朝稽古の実演から。強く大地を踏むことで地中の邪気を払う意味があるという四股を踏む動作では、観客みんなで「ヨイショ！」の掛け声の練習も。ぶつかり稽古では、力士同士の体がぶつかり合う音が店内に響き、迫力満点。さらに、取組の基本ルールや禁じ手などを司会者の解説付きでユーモアを交えながら実演してくれるので、楽しみながら相撲の知識を得られる点も人気の理由です。
そして、この日、最も会場が白熱したのが、2人のお相撲さんによる、本日のチャンピオンを決める三本勝負。「ハッケヨーイ ノコッタ！」という掛け声とともに、ぶつかり合う力士たち。目の前で繰り広げられる、迫力ある取組に観客たちも大興奮！みんなで足を踏み鳴らし、東側の観客は浅ノ熊、西側の観客は浅昇を「ガンバレ！」と声を張り上げながら応援します。声援が大きければ大きいほど、力士たちにも熱が入り、会場は熱狂の渦に包まれます。その一体感を味わえることも、浅草相撲部屋の魅力です。
元力士による白熱した取組を堪能した後は、観客が実際に相撲を体験できるコーナーが。司会者が挑戦者を募ると、われこそはと、次々に名乗りを上げる観客たち。その中から、抽選で選ばれたのが8人のチャレンジャー。アメフトで鍛えたというつわものもいれば、女性やかわいい子ども力士も。自己紹介の後に、対戦する力士を指名し、意気込みを語ります。とはいえ、その姿は力士の着ぐるみに化粧まわしを締めて、頭にはちょんまげ。そのなんともユーモラスな姿に会場が笑いに包まれます。
格好はユーモラスでも、取組はもちろん真剣勝負。全身でぶつかっていきます。観客が大声援を送る中、果敢に挑むチャレンジャーたち。体当たりしてもビクともせず、体の大きな男性を軽々と持ち上げる力士に、その強靭（きょうじん）なパワーを実感していたら、力士をうまくかわして、まさかの大金星を勝ち取り、飛び上がって喜ぶ子ども力士も。1戦1戦に見応えも笑いもあり、大盛り上がり。勝負が決まったら、健闘をたたえる観客からの拍手と声援の中、力士たちと一緒に記念撮影もあり、貴重な体験に挑戦した皆さんも、応援した観客もみんなが大満足の体験コーナーでした。
ショーの途中には、観客から力士への質問タイムがあったり、グループごとに記念撮影タイムがあったりと、あっという間の2時間。最後には、プリントした記念写真の他、オリジナルのトートバッグや升、千社札シール、手拭いなどのお土産も付くなど、大盤振る舞い。
本場のちゃんこ鍋などの和食を味わいながら、日本の国技でもある相撲について学べ、取組体験もできる「浅草相撲部屋」は、日本の伝統文化に興味のある方にぴったり。ぜひ予約をして、圧巻の相撲ショーを楽しんでみてください。
（2025年12月5日公開時点）
